整骨院・整体院閉院の流れマニュアル
昨今、整骨院・整体院・鍼灸院等を取り巻く環境は厳しくなるばかりです。
・昔は良かったけど、最近チラシが反応しなくなってきた
・近所の同業者に患者さんが流れた
・年々厳しくなる保険請求で売上が立たない
・WEBで集客できない
・保険診療での経営に限界を感じてきた
・交通事故頼みの経営がこれ以上もたない
・自費移行に失敗してしまった
・ポータルサイトで集客できなくなってきた
このような理由で整骨院の廃業をする人が増えてきています。志をもって開業した自身の整骨院・整体院・鍼灸院を閉院するということは多くの葛藤があり、苦渋の決断かもしれません。しかし、悪い状況を長引かせることで良いことは一つもありません。
閉院するというのは夢と希望とやる気に満ちていた開業時に比べると、精神的にも体力的にも大変な作業です。さらにはテナントの現状回復や医療機器の処分など金銭的な負担もあります。
少しでも良い状態で再スタートが切れるように整骨院の閉院に必要な手続きや注意点を確認しておきましょう。整骨院・整体院・鍼灸院の閉院の大まかな流れとしては、
①閉院に向けてのスケジュールを立てる
②医療機器や備品等の処分
③保健所などの各種手続き
④借金の返済
といった手順になります。
「①閉院に向けたスケジュールを立てる」
閉院に向けてまずはしっかりと計画を立てて進めていきましょう。ここでまず考えないといけないのは、テナントの契約状況と今現在来てくれている患者さんのことの二つです。
多くの治療院はテナントを借りて営業していると思います。テナント契約の場合、契約にもよりますが退去の6ヶ月前には大家さんに申し出る必要があることがほとんどです。ご自身の契約状況を確認し、退去の日程を決定しましょう。
(※従業員がいる場合は、従業員にも告知する必要があります。労働基準法では少なくとも解雇の30日前には告知する必要があるとされています。)
原状回復やスケルトン渡しが必要な場合は、内装業者に依頼して費用(坪当たり約30,000円が相場です)や必要な工事の期間を確認します。
☑壁クロス、床、天井、畳などの張り替え
☑照明の交換や、配線を元通りにする
☑各種塗装
☑看板など広告媒体物の撤去
☑鍵シリンダーの交換
☑内装設備の解体。
☑空調設備などの各種クリーニングまたは交換
☑外装工事
☑その他廃棄処分
☑その他雑工事
などなど、上記の部分をキレイに元通りにしなければなりません。注意する点としては、何をどこまでどうするかということを大家さんや不動産の担当者としっかりと話し合いの上決めておかないと、後で金額が違ったなどと揉めるケースが多いです。(最初に交わした賃貸契約書もしっかりと読んでおくこと)
続いて、そのテナントでいつまで営業することができるのか具体的な日程が決まれば、そこに向けて患者さんの治療計画も進めていく必要があります。通常、整骨院で保険診療をしている場合の治療期間は長いと3ヶ月程度かかります。治療の途中で閉院。回数券が未消化で閉院。と無責任なことになってしまわないように新規患者さんの受入も中止していきましょう。既存患者さんを引き継いでくれる信頼できる治療院や先生がまわりにいれば、患者さんの引き継ぎもお願いしましょう。
ここからが大変で、このように閉院を決めたからとすぐに閉めることはできません。新規の受入中止により売上も低下していきます。閉院を知って離れていく既存患者さんもいるかもしれません。その中で少なくともテナント契約解除までの期間は賃料を払い続ける必要があります。資金繰りの計画も入念に行っておきましょう。
「②医療機器や備品の処分」
整骨院で使用していた様々な備品は廃棄するものと、業者に買い取ってもらえるものがあります。
1,専門の買取業者に依頼する
低周波、超音波やウォーターベッドといった医療機器や、診療ベッドなどは専門の買取業者に買い取ってもらうことができます。無料査定をしている業者も多いですが、その際にメーカー名、年式、シリアルナンバーが等が必要になるので確認しておきましょう。
年式が古いもの、不備があるものは値段が付かずに無料での引き取りになる場合もあります。個人で処分するのは大変なので引き取ってもらうか、facebookなどで同業者に呼びかけて仲間などに譲るのも良いですね。
2,リサイクルショップやオークションサイトを利用する
院内の棚や椅子などの家具、パソコン、コピー機などのオフィス機器はリサイクルショップやオークションサイトを利用すれば引き取り先が見つかるかもしれません。
3,タオルなど再利用が難しいもの
粗大ゴミになるものやその他の備品はすべて廃棄することになります。不用品回収業者に依頼すると費用がかかることもあります。自治体のルールに従って処分しましょう。
4,WEB媒体やSNSの閉鎖
WEB媒体は制作業者にお願いして閉鎖してもらいましょう。サーバーやドメインの解約も必須です。SNSの閉鎖は簡単なので自分で行いましょう。
「③保健所などの各種手続き」
1,保健所に施術所廃止届の提出
整骨院の場合は廃業から10日以内に管轄の保健所に提出します。届出書類は、保健所の窓口でもらえるのはもちろんWEBから印刷することも可能です。提出には正本と副本の2部が必要となります。
2,税務署に個人事業の開業・廃業等届出書の提出
廃業から1ヶ月以内に税務署に送付または提出します。
3,都道府県税事務所に書類の提出
事業所在地(居住地ではなく)の都道府県税事務所に書類の提出が必要になります。都道府県によって形式や提出期限が異なるのでホームページなどで確認しましょう。
以下に該当する場合は届出書の提出が必要になります。
☑(青色申告を行っている場合)青色申告の取りやめ届出書の提出
☑(課税事業者である場合)事業廃止届出書の提出
☑(給与支払いを行なっている場合)給与支払い事務所等の開設・移転・廃止の届出書の提出
☑(予定納税を行なっている場合)所得税および復興特別所得税の予定納税額の減額申請書の提出
4,各種解約手続き
電気、ガス、水道、電話・ネット回線の解約、郵送物の転送手続き、クレジットカードやスマホアプリ決済などの端末の解約。組合などに所属している場合は退会手続きが必要です。各種保険の解約も忘れずに。
「④その他の注意点」
1,カルテ(施術録)の保存期間
整骨院でのカルテの保存期間は転帰(治癒・中止・転医)が付いた日から5年間です。廃業した場合も保存の義務があります。
借金の返済
最後に大事な借金の返済を忘れてはなりません。院を閉めるというときは大抵経済状況も良くないと思います。借入状況にもよりますが、5年〜10年と返済に期間がかかるかもしれませんが頑張って返済していきましょう。どうしてもという場合は自己破産もありますので、弁護士に連絡してみましょう。
また、私で良ければ何でも相談に乗りますので美味しいご飯を食べながらざっくばらんにお話をしましょう!
・どうしたら売上をあげれるか?
・治療家を続けるか、次の就職先で悩んでいる
・院を閉めようと思うけど閉めたくない
・借金の返済の見通しが立たず自己破産を考えている
お話しする内容は何でも構いません。LINEから友だち追加して、気軽に連絡ください。あなたにお会いできるのを、楽しみにしています。