「あ〜あぁ。毎日毎日チラシを撒いても集客できない」以前までは1000枚撒いたら3人ぐらいは患者さんが来ていた。しかし、最近は10,000枚撒いても反応が2人ぐらい。コンサルタントの人が教えてくれた、他の治療院ではバンバン反応が取れているチラシを真似て作成したはずなのに・・・
エキテンも無料からプレミアムプランにしていれば10〜20人ぐらいは毎月来院があったのに、最近では3〜4人ぐらい。口コミの点数は地域では一番高いのに、なぜなんだろう?
他には、トラコレも一年前までぐらいは月に5〜6人は電話があったのに、最近はゼロに近い。口コミのポイントも高いし、独自のコンセプトでライバルもいないし、他の院よりも値段を下げて顧客に対してのベネフィットも明確に伝えて、集客商品を作っているいるハズなのに。
一番テンションが下がるのはispot。以前は顧客から連絡があったときだけ課金されていたのに、最近は基本料金として毎月お金が掛かる上に顧客からの連絡は全く無い。
そうなったら、やっぱりブログかなっ!?一生懸命ワードプレスでブログを書くけど、一向にアクセスが集まらない。50記事ぐらい書いたらアクセスが集まると言われて書いたけど、全く集まらない。流石に100記事ぐらい書けば集まるだろうと思っていたのにそれでも集まらない。
それどころか、メインのWEBのSEOの順位は安定せず週ごとに上がったり下がったり、ブログを書いてアクセスが増えると思いきや、メインのサイトのSEOの順位も不安定。
自分は絶対に他の院よりは時間を掛けて頑張っている。予算も割いて集客につぎ込んでいる。お金も時間もつぎ込んで頑張っているのに、なんで結果が出ないんだろう?
宮本武蔵五輪書 水之巻 第三節 兵法の目付といふ事
リンゴが木から落ちるのは万有引力が関わっているように、結果には必ず原因が有ります。同じように、チラシ、エキテン、トラコレ、ispot、ホームページ、ブログ。集客を色々頑張っているのに関わらず結果が出ないのにも必ず原因が有ります。
あなたは五輪の書に書いてある、
「眼の付け様は、大きに広く付るなり。観見の二つあり、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること、兵法の専なり。敵の太刀を知り、いささかも敵の太刀を見ずと云事、兵法の大事なり。工夫あるべし。此眼付、小さき兵法にも、大なる兵法にも同じ事なり。目の玉動かずして、両脇を見ること肝要なり。か様のこと、急がしき時、俄にわきまへがたし。此書付を覚え、常住此眼付になりて、何事にも眼付のかはらざる処、能々吟味有べきものなり」
という言葉を聞いたことありますか?「観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること、兵法の専なり」というところが大事になるのですが、「見の目」というのは目許で局所を見ること、「観の目」というのは大きく全体をみることです。
現代風に分かりやすく言い換えると、「全体的視野を重視し、のびのびと観察する」という意味になります。じつは五輪の書だけでなく、柳生新陰流でも同じようなことを言われています。
全体観と長期的視野
治療院集客を成功させようと思うと、どうしても局地的・短期的成果を追求してしまいますが、永続的に治療院集客を成功させようと思ったら全体観と長期的視野も大事です。チラシ、エキテン、トラコレ、ispot、ホームページ、ブログ、以前は上手く行っていたのに、最近は上手く行かないという人は、この全体観と長期的視野が抜け落ちている感じがします。
そういう私も以前は同じでした。開業当初は全く集客出来ずに苦しみましたし、勉強して少し集客が上手く回り始めて、「これだけ新規患者が集まれば安心だ〜」と思っていたら、急激に今まで蓄積してきたノウハウや構築してきた資産が通用しなくなる。
正直ショックですよね。まるで、今まで伸び続けてきたビットコインや株が大暴落したみたいな感じ。あれだけ突っ込んだのに。
そうならない為に、全体観と長期的視野を持つことが大事なのではないでしょうか?現状が苦しい場合や、カツカツな場合は短期的、局所的に戦い現状を突き抜けることの方が大事だったりしますが、そこを抜けて少し視野を広げる余裕が出てきたら、全体観、長期的視野に移行する前の下準備として一度自院の集客に関して見直してみましょう。
具体的には、売上構成(保険、実費、交通事故、美容、物販)リピート率(初回〜8診目)単価、LTV(ライフタイムバリュー)、分単価、各媒体の反応率、広告費、ROI(費用対効果)、CPO(顧客獲得単価)当たり前ですが、これくらいは把握しておく必要があります。
書き出してみると、意外と自分が思っているものと違うことが多いです。治療院の経営として、局所的、短期的なところを走り抜けている途中だったり、走り抜けた直後は陸上の短距離ダッシュと同じで、視野が狭く目の前しか見えないし、ゴールに着いたら心臓はバクバク、呼吸はハァハァと乱れています。
そこで、一度深呼吸することで鼓動も落ち着き呼吸も正常に戻ります。そうすると次のレースに備えられるんですね。短距離を走るのもよし。長距離に挑むのもありです。治療院経営も同じで、次に進むためには一度落ち着いて振り返る事が大事です。
短期的な部分の見直しが終わり、次の長期的視野の場合は、治療院業界の流れがどうなっているか?業界だけでなく、似たような業態のエステ、美容室、歯医者などの業界はどうなっているか?またはどうなりつつあるのか?もっと大きく見ると、日本の経済はどうなっているのか?世界の経済はどうなっているのか?
10年先は?20年先は?正直誰も正確な未来を見通すことは出来ません。けれど、近い未来なら何となく見通せるのではないでしょうか?治療院関係のリスティング広告の規正はどんどん厳しくなっています。現にインターネット上の広告を止められて四苦八苦している先生も沢山います。
近い未来、リスティング広告が全くできなくなる可能性があります。LINEでの集客も同じで、LINEが規正を掛けてくると、もしかしたらLINEでの集客ができなくなるかもしれません。
コンサルタントは増え、セミナーも乱立しています。新規集客に限らず経営のノウハウは巷に無料で出回っています。ライバルは勉強し、成長してドンドン強くなります。そこに対してあなたはどう対処していきますか?
あなたの院の横に強力なライバルが院をつくった時にどう対処しますか?世の中に絶対はありません。地震対策ではないですが、治療院も備えあれば憂い無しです。目の前のことも大事ですが、それだけでなくこれからは観の目で“3つの貯金”をして下さい。
3つの貯金
“3つの貯金”それは「治療技術」「信頼」「お金」です。治療家なので治療技術を磨くのは当たり前です。本気で地域で一番の治療技術があれば新規集客に頼らずとも、ある程度は食べていけるはずです。次に信頼。凄く大切なんですが、意外と意識することを忘れがちです。僕達の商売に限らず、人生を上手く行かせたかったらこの信頼関係を積み重ねる習慣を持つことがとても大事です。これは患者さんに対してだけ信頼を獲得していくのではなく、家族、スタッフ、業者さん、地域の人々、関わる人すべての信頼を獲得していきましょう。
当たり前ですが、信頼のおける治療家に誰でも治療をお願いしたいものです。また紹介も信頼されないと生まれません。最後にお金です。地獄の沙汰も金次第。綺麗事だけではうまくいく確立が減ります。結局最後にはお金がものをいいます。お金がないと行動の制限がかかり、人間の幅を広げたりチャンスを掴み取ることが難しくなります。
「技術」も「信頼」も「お金」も、短期的にはなかなか大きくなりません。日々の積み重ねがモノを言います。今日からは短期的なものだけを見るだけでなく、長期的な目線でこの3つを高めていってくださいね。そうすることで短期的だけではなく、長期的に繁栄する治療院が作れるのではないかと思っています。一緒に頑張りましょう!