原理原則

採用の失敗は教育で取り戻せると思いますか?

著者:博多骨盤HEROコッツマン著者:博多骨盤HEROコッツマン

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採用の失敗は教育で取り戻せると思いますか?

「人事問題は経営を左右する」と経営の神様である松下幸之助氏が言っているとおり、採用の失敗は教育では取り戻せないと私は思う。正直心のなかでは採用の失敗も教育次第では何とか出来ると思いたい。折角自分の会社に入ってくれた大切な社員達。

 

多少問題があっても何とかして育てたい。能力を向上させ一人前の人間に育てたいと多くの経営者は考えていると思う。けれど、残念ながら現実は違う。そこには取り戻せる限界がある。

 

わかりやすく例えると、生まれながら裕福な家庭で育った人間と、そうでない人間とでは、人間としての幅は大きく異る。人間は生まれてから今まで生きていく中で様々な行動をする。その過程で周囲から認められた行動は、その後も取り続けるが、否定された行動は取らなくなる。

 

否定され続けると、徐々に行動するパターンが限定されてしまい行動をしなくなるから、経験を積めなくなる。そうして、人間の幅は狭くなってしまう。人間は行動し経験を積むことで成長し幅が大きくなる。

 

生まれながら差がある

なぜ貧富の差が人間の幅に関係するかと言えば、お金がある方が幅を広げることが簡単だからだ。インターナショナルスクール、バレエ、能力開発教室、その他の習い事に通っている幼稚園の子供と、なにも習い事をしていない子供とでは挑戦している回数が違う。

 

習い事が幅を広げる全てではないが、習い事には定期的なテストや、発表会、試合などがあり、そこをクリアするため定期的に様々な物事に挑戦しないといけない。その経験が人間の幅を作り出す。

 

その世界を知っている人間と、知らない人間とでは雲泥の差がある。確かに習い事に行かせると自由な感じが損なわれるかもしれないが、毎日幼稚園に行って帰るだけの生活を送っている人間よりは確実に人間の幅は広がる。

 

その他にも、普段から海外に旅行に行ったり、舞台を見に行ったり、美術館に行ったり、その他にも一流のものと接している人間はそうでない人間に比べ幅の広がりが違う。

 

お金があると経験にお金を使うことが出来る。だから幅を広げるのが容易になる。忘れてはいけないのは、持ち物ひとつとってもそうなる。持ち物も経験だ。その物を持ったことがある。身につけたことがある。使ったことがあるという経験がその人の幅を広げる。

 

確かに、お金で買えない経験もあるかもしれないが大抵はお金で買える。だから採用の失敗は教育では取り戻せないのだ。ここまで読んでお分かりだと思うが、経験にお金を使うことが出来て、一流の環境で育った人間はその時点で会社の利益に直結する能力は無くても幅が広いから、狭い人に比べ伸びが違う。

 

会社がどこまでの人材にしようかとしてるかによって違うと思うが、経験が少なく幅が狭い人間は、教育の際に幅を広げることも並行してやらないといけない。そうでないと、幅の狭さから行動が限定され。すぐに成長のアッパーがきてしまう。

 

現実的に悲しいかな、この幅を広げるにはお金がかかる。だから、会社は最初から幅が広い人間をとらないと後から後悔する。教えても教えても伸びない。そこに時間とお金を費やすことになり、利益を圧迫することになる。

 

そうすると、採用にも力を入れにくくなり、良い人材を取れなくなる。そうやって悪循環がはじまる。

 

どうなりたいか?と素直さが大事

こう聞くと、育ちが良く様々な経験をして幅が広い人間を取ればいいかと思われるかもしれないが、それ以外にもどうなりたいかという明確な目標と、素直さ。というのも大事だ。

 

この明確な目標と言うのが曲者で、大概は明確な目標がない。それを求めて自分探しの旅に行く人もいるぐらいで、自分の人生の明確な目標が分かる人のほうが少ない。

 

その理由は、自分の幅が狭いから見えないのだ。経験値が圧倒的に足りない。だから行動できる幅も小さく、近い未来しか見ることが出来ない。先見の明がある人は幅が広い人間だ。

 

仕事をしていく中で、経験を積み幅が広がることで途中から自分の目標が見えてくる人がいるのはこのためだ。このどうなりたいかという明確な目標が会社と一致していないと、方向性の不一致から退職者が出てくる。

 

また、素直さ。これに勝る性格はないと私は思っている。素直でない人間は伸びない。中途採用の時に特に気をつけなければならないのだが、中途で来るスタッフはある程度自分という人間が出来上がった状態で来る。

 

こう書くと反感を買うかもしれないが、凝り固まった心なんかいらない。そこにしがみつかないと自分という人間を保てないのだろうが、それが成長を邪魔する。凝り固まった心というのは幅の狭さ。中途の人はこの幅をかなりガチガチに固めてくる。

 

今までの経験も大事かもしれないが、そうでないその本人が知らない大事なことを気付かせてあげる必要がある。そこに素直さがないと心に言葉は届かない。

 

大事なことは3つある。幅の広さ、どうなりたいか、素直さ。後天的にここを教育でなんとかしていくことも可能だが、スタート地点が違うのでたどり着けるゴールにも差が出る。サラブレッドを育てるか?そうでない馬を育てるか?

 

どうなりたか? はあなた次第。教育に時間とお金と気持ちを費やせるならば、採用の失敗はある程度取り戻せるが、そうでない場合は厳しい。

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