原理原則

気付いたら創業時のスタッフが1人もいない理由

著者:博多骨盤HEROコッツマン著者:博多骨盤HEROコッツマン

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気付いたら創業時のスタッフが1人もいない理由

遊びに行きたくてたまらない! ウズウズする心を押さえつけるように、真夏の金曜の真夜中アマゾンで注文した本を、私は貪り読んでいた。その中のひとつ、スティーブン・R・コビー著の「7つの習慣」に下記のような一節がある。

 

自分の人格に基本的な欠陥、二面性、あるいは不誠実さを持ちながら、テクニックや手法だけで人を動かしたり、仕事をさせたり、士気を高めようとすれば、長期において成功することはできない。

 

いずれは、その二面性によって相手に不信感が生まれるからである。いくら人間関係を改善させるためのテクニックを使ったとしても、それはすべて相手を操ろうとしている行動にしか見えない。

 

信頼という土台がなければ、永続的に成功することはあり得ない。基礎となる人格の良さがあってはじめて、テクニックが生きてくるのだ。

 

私はこの意見に大方賛成だ。私はスタッフ育成を成功させるためには「やり方」に加えて「あり方」も教えたり、気付かせたりする事が大事ではないかと思う。

 

確かにやり方を教えるのはとても大事だ。特に新人教育の初期段階において成長させるためにはやり方を叩き込むと、数字的には通常ある程度伸びてくる。数値で言うと、あり方とやり方が分かっているスタッフが100だとすると、やり方だけで比較的早く80までは伸びてくる感じだ。

 

逆に、少し昔の治療院業界にありがちな「俺の全てを見て覚えろ!」と具体的にやり方を教えないと、スタッフの成長は遅くなる。ここのフローを改善するためにマニュアルがある。このマニュアルが型を作り、基準となってくれる。

 

うちの会社は型なんかない。特に治療技術において型なんて存在しない。ケースバイケースだと言われればそれまでだが。空手道でも、華道、茶道、弓道、剣道、柔道なんて“道”がつくものは全てにおいて型が存在する。

 

この型が存在するものが現在において廃れること無く昔から伝わっている。しかし、日本人特有の“わび・さび”なんてのは型がない。だから再現性が極めて低いし現在にも多くは継承されていない。

 

要は型がないものは、上手く行っているか、それとも上手く行っていないのか、が基準がないから自分では修正のしようがないので成長が送れるのだ。一部の天才はうまくいく行動だけを続けて、成長して結果を出していくかもしれないが、凡人は失敗するし、間違った行動もする。

 

その際に型がないと軸がわからないから立ち直れない。そのまま崩れてしまい。思うような結果が出せなくなる。だからマニュアルが大事だし治療の技術も型にすることが大事。確かに全てを型に落とし込むことは難しい。だから、型である基本の部分が出来てから、治療家として次のステップに進めば良いのだ。

 

あり方

やり方が大事なのはわかったと思う。次にあり方についてだが、なぜあり方が無いとスタッフが辞めていくか?私はこのように考える。会社的には社長が120の力を持っているとすれば、スタッフは70〜80ぐらいの力を出してもらえれば万々歳だ。

 

70〜80の力のスタッフだけで会社が成長していくのなら、やり方だけでいいと思う。そのほうが色々な意味で楽だ。しかし、現実は全てのスタッフにやり方だけしか教えないと会社の成長はピタッと止まる。

 

何故かと言うとやり方だけだと、人間の器が広がらないからだ。“社長の器以上に会社は大きくならない”このような言葉は、あなたも一度は聞いたことがあるはずだ。そのとおりで、人の器以上に会社は成長しない。

 

だから、社長は自己啓発セミナーや、本、人間関係、様々な出来事を通じて器を広げようとする。ここで注意して欲しいのが、成長することが悪いことでなく、社長だけが成長するとスタッフとの間に色々な差が出てくるということだ。

 

あり方である思考パターンや、行動の仕方、価値観、どうなりたいか、などなど、人間的成長、事業の成功に貪欲な社長が学べば学ぶほどスタッフとの差はドンドンひらいていく。そして、社長の人間的なステージが上がるにつれてスタッフはやり方だけだとついて行けなくなる。ロールプレイングゲームで例えるとレベル68の勇者に、やり方である武器は最強の物を装備しているのだが、あり方であるレベルが5〜30ぐらいの武闘家や、魔法使いがパーティーを組んで魔王を倒しに行くみたいなもの。

 

間違いなく、魔王に会う前に勇者以外はモンスターに倒されてしまいます。それと同じで、社長のレベルが上がりすぎると、スタッフはついてこれなくなる。溝ができる。それを解決するためには、やり方だけでなく、ありかたを教え一緒に成長すること。

 

そうすることで、全員とは言わないが“成長したい”と思っているスタッフは進んで学ぶし、スピードは違うかもしれないが社長と一緒に成長する。そうして育ったスタッフが強力な右腕になる。

 

また、やり方だけでなくありかたを教えたり気付かせたりすることで、スタッフの人生の幅を広げてあげることも出来る。人間は生まれてから今まで行動した中で、人から否定されてきた行動は取らなくなるし、承認されてきた行動は積極的に取るようになる。

 

否定された行動は、同じような行動をする時に、人間はまた同じようなことになるかも? という不安や恐怖を覚える。それが人間の幅を狭くしてしまう。生まれながらの環境においてかなり左右されるところなので、狭い人もいれば広い人、いろいろな人がいる。

 

そんな中で会社のスタッフの幅を広げてあげると、今までの自分にはない行動をするので、今までとは違った結果が出て、今まで見たことのない世界を経験できるようになる。結果として人生が変わる。

 

最後に

スタッフによって見たい世界、目指したい世界、居続けたい世界は違うが、これを理解してあり方を教えるのと、教えないのではスタッフの成長や離職率はかなり違うと思う。あなたの会社はやり方にフォーカスしていますか?あり方にフォーカスしていますか?それとも両方ですか?

 

まずは、あなたがやり方を身に着け、どうなりたいかを明確にし、あり方を身に着けていくことが大事です。そして、そんな器の広くなったあなただからこそ、スタッフの人生の可能性を広げてあげることが出来るのだと私は思います。

 

一人ひとりが自分の居場所で輝ける職場や世界になるといいですね。

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